『わらわがすみかも他所ならず。あの石塔こそすみかにてさむらへ。 不思議やなあの石塔は和泉式部の御墓と こそ聞きつるに そもすみかとは不審なり。』
(謡曲 誓願寺より)


 この石塔は、和泉式部の往生の、六字名号を念仏する人があれば二十五菩薩と共にお迎えに来てくださるという謡曲「誓願寺」の舞台にもなっている宝篋印塔で、正和二年(一三一三年)に改修建立されました。高さ約四メートル、幅約二.四メートルあります。
 江戸時代の名所絵図には石塔と共に、傍らにあった軒端の梅が描かれています。当時から和泉式部を慕い多くの旅人が参拝した様ですが、和泉式部を慕い霊前に手を合わせる人の姿は今も絶えることなく続いています。