毎日、たくさんの人々が山門前の新京極通を歩いています。 この新京極通は、距離にして一キロ弱ですが、年間数百万人の往来を数える、京都有数の 繁華街の一つです。ひと昔前までは修学旅行の学生さんを相手にするおみやげ物屋さんが 多数を占めていましたが、ここ最近は洋服・雑貨・ファーストフードの他、複合映画館な ども新たに登場して多種多様な趣を見せています。 ここを通る内の何人かの人が、怪訝そうに「こんな所にお寺がある。」と会話しつつ通りす ぎていきます。今でこそ、若者を中心とした通りですが、この辺りは天正年間に豊臣秀吉 が洛中の寺々を京の町の東と西に南北に並べるまでは鴨川の河川敷でした。東の京極通り に沿って寺々が並べられたので、それからは寺町通りと呼ばれました。そして新京極通は、 明治の初めに槇村京都府知事が、三条・四条間の寺々の境内に道を通して造られたもので す。 華やかな賑わいを見せる界隈ではありますが、一歩足を伸ばして山門をくぐれば往時と変 らぬ静寂さを発見して頂けると思います。